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技術への敬意


AFRICL(アフリクル)は、ベナンのバティック(ろうけつ染め)を中心に、 世界各地で紡がれ、これまで受け継がれてきた豊かな手仕事と その伝統が人知れず支えているであろうアイデンティティを繋ぎたい、と考えているブランドです。 伝統的な文化が、途絶えずつながることが その地に暮らす人の心を支え、やわらかな笑顔を繋ぐことにも つながると信じています。 本日は、そんなAFRICLの伝統的な手仕事との向き合い方へのこだわり…についてお話できたらと思います。



バティックの生産風景。白い生地に溶かした蝋で柄を手描きしている男性
バティックの生産風景

AFRICLで取り扱っているすべての手仕事 お世話になっているすべての職人さんとの関係までお話しするとものすごい長さになってしまうかと思うので 今日は、バティック(ろうけつ染め)を 仕入れた後の使い方…について絞ってお話していきます。


 

 

1.AFRICLの手を離れた後も

AFRICLでは、Philodophyとして 「とっておかない、とっておき」 「一生モノのものづくり」 という内容を掲げています (他にもありますが…詳しくはこちら これらは、AFRICLのお品をお迎えしてくださる日本のお客さまを、1秒でも多く笑顔にしたい、という想いを実現するためのこだわり、であると同時に お品を生み出してくれた職人さん、作り手の方々への想いを形にするためのこだわり、でもあります。 「お服」1着を考えても まず、生地となるバティックを染めるのに 1色ごとに 蝋を溶かし 染料を入れたくない場所に型や筆で蝋を置き 蝋が乾くのを待ち 染料で生地全体を染め 余分な染料を洗い流して 干す (ここまでで早くて1日、蝋が乾くのに時間がかかれば2日) 乾いたら次の色でまた上の工程を繰り返し、全色染終わり、乾いたら、熱湯で生地全体をぐつぐつ煮て、生地につけた蝋を落として、干して… やっと1枚の生地が出来上がります。 そして、洗濯をするようなたらいで染めたり…をしているので、1回に染められるのは1枚6ヤード(約5.5m)ほどずつ。何着も同じ柄でお服をお作りするために、一種の柄に対して何度も何度もこの工程を繰り返してくれています。


バティックの生産風景(たらいで布を水洗いする職人さん(余分な染料を洗い落とす作業中))
バティックの生産風景(余分な染料を洗い落とす作業)

それだけ手間がかかっているのを 暑い中、蝋を溶かして、水を含んで重たくなった生地をじゃぶじゃぶしながら汗をかいている姿を見ているから 大事に大事に愛用してくださる方にお届けしたい 半年後に飽きちゃったな、なんて言わずに 5年、10年、30年、一緒に時を重ねてくださる方にお届けしたい つい、そう思ってしまいます。 本当にときめき続ける一着か? ゆっくりじっくりお考えください、とお伝えしたり ご予約制で、1枠お一組ずつゆっくりご試着いただけるアトリエをご用意しているのも そこを「ご試着」の場として、お迎え(ご購入)はお客さまからのご希望がある場合を除いて、あとでゆっくりECで…としているのも 本当に「すき」なものに囲まれて暮らしていただきたい、というお客さまへの想いももちろんありつつ 大事に大事に愛用してくださる方 永く愛し続けてくださる方 にお届けしたい、という職人さんの姿が思い浮かぶが故のAFRICLのためでもあるのです...


外の竿に干されたバティック
バティックの生産風景(染めた布を干す工程。工房は屋外な事が多く、雨が降ったら進捗は無し ということが多い)



 
2. 1mmへの想い

お品をお届けするまでの工程には 1枚1枚、ゆらぎにゆらいでいる手染めの柄を 出来る限り、綺麗に柄合わせが出来るように…と ふつうは何十枚と重ねて切っていくパーツの裁断を 一枚、一枚、どうとったら柄が揃うか? 無駄が少ないか?考えながらパーツを切り出してくださる裁断士さんをはじめ たくさんの方々の手間暇がかかっているので お品を、どなたに、どうお届けするのか? というのは、どうしてもこだわってしまう所です。 しかしそれだけではなく、 AFRICLの「お服」は、日本の今の暮らしで心地好く、着用へのハードルを感じずに、じゃんじゃん、永くお使いいただきたい…と思っているからこそ 洋裁でお作りしているため生まれるパーツを取った残布 柄合わせをするために、生地としてスキップをする部分 が生まれてしまいます。 でも、それらの生地も、職人さんが全く同じ手間暇をかけて染めてくれた生地。 それを1mmも無駄にしたくない、 という想いも生まれてきます。


様々な大きさの残布たち

そこで、AFRICLでは "職人さん手染めのバティックを1mmも残さず使い切る" ことを目指して、お品の企画等を行っています。 第一段階は お服の生産時、まとまった生地だけでなく、パーツを取ったあとの細かな残布も捨てずにお戻しいただくこと… AFRICLがお渡ししている生地が残ったらすべて返ってくる、というのは当たり前だと思われるかもしれませんが、決して当たり前ではないのです。 ブランド側が残反や残布を不要だから処分しておいて、ということも多かったり パーツを取ったぴらぴらとした小さな生地も返却となると、 作業中に、そのパーツをとっておく 返却に向けて柄ごとに分けたり、畳んだり といった作業が増え、 1着をどうしたら効率的に美しく縫えるか?を追求してくださっている縫製工場さんでは、大きな負担増となります。 お願いせずとも、小さな残布も綺麗に返却くださるところももちろんありますが、少数派かも…と思います。 AFRICLでは、 お手間をおかけして、本当に恐縮なのですが 小さなハギレも捨てないで…とお願いをして、返却いただいています。 これが、1mmも無駄にせず…のスタート地点ですね。 第二段階は 残った生地から新たなお品をお作りします。 「お服」をとった後の生地は、カーブがついていたり、これじゃ何もとれないよ…という細長い生地が出来ていたり… 残る生地の形によっても「使い切り易さ」が変わるのです。 今の暮らしに心地好く…を目指した結果、 現状AFRICLでは洋裁の技法で「お服」をお作りしているのですが それ以降の段階では 出来るだけ残る生地を使い切りやすくするため "直線で" "長方形や正方形のみでパーツが取れる" ことを大切に、お品の企画を行っています。 AFRICLのお品 ・巾着バッグ ・おりぼん ・Batik Book Cover ・Batik Pouch各種  等々… いずれも、長方形・正方形のパーツのみでお作りしています。 本当は、お着物のように一反にパーツが綺麗に入り切り、使い切れる配置を生み出せたら、一番無駄がないのだろうと思うのですが そもそものバティックの生地幅も長さも 染める生地の仕入れタイミング、染める色の数や、お湯にくぐらせていた時間によって異なり(染める過程で生地が縮みます) また柄合わせをする関係で、 柄の置き方によって、お服をつくる段階でスキップされる生地の量も異なるため 縫製工場さんから戻ってきた生地たちの大きさを、1枚1枚確認しながら、どのお品をどのくらいお作りすると綺麗に使えそうか?を考えているのが現状です。

そして、その後 どんなパーツもとれないよ…という小さな小さなハギレであったり 生地の端がカーブしていて、AFRICLのお品をとってもハギレが残ってしまう生地があったり 「お品をつくる」という方法では使い切れない小さな子達が生まれます。 第三段階として AFRICLで試行しているのが「生地をつくる」ということ。


機械にかけられるウールの生地とそこに挟まれた小さなバティックたち
新たな生地の生産テストの様子

こちらはまだお披露目出来ていないのですが 小さな小さな布達も、お品になった部分とまったく同じように職人さんが丁寧に丁寧に染めてくれた作品の一部だから AFRICLで大切にとっておくだけではなく 「価値を感じていただけるもの」としてお客さまにお届けしたい そんな想いで生地作りに挑戦しています。 小さなハギレを使って生地をつくるにも 色々な技術や方法があり その手法によって仕上がりの雰囲気や バティックの雰囲気の残り方、向いている使い道ももちろん変わります。 AFRICLとして、お届けしたいお品に向いているのはどの手法だろう… バティックらしさ、も楽しんでいただきたいな… そして出来れば 「パーツを取った後」らしさであったり その生地が接していた所から「お服」やポーチ等の「お品」が生まれた痕跡も感じてもらえたら嬉しいな そんなことを考えて試行錯誤をゆっくりじっくり続けています。 アトリエでは、その過程で生まれた生地たちをインテリアとして使っていたりするので、アトリエにお越しの際はそんなところも楽しんでみてくださいね。

ウールにはさまれた小さなバティックたち
上の写真の試作で生まれた生地

彼らがものすごい労力と時間をかけて染め上げてくれた布を 小さな小さな布地も無駄にせず、お品としての息を吹き込むこと そして、それを永く愛し続けてくださる方にお届けすること その過程にもものすごく手間暇がかかるのだけれど これがAFRICLが譲れない職人さんたちへのリスペクトの表現方法です。 今回も長くなってしまいましたが… 生地に命を吹き込みきる… AFRICLでもいろいろなアンテナを張り、試行錯誤をしていますが こんな方法もあるよ! こんなモノも作って欲しい! こんなワークショップとかしてみたい! そんなお声がありましたら、ぜひお寄せください。 (HPのコンタクトや、SNS(TwitterInstagram)のDMが届きやすいかと思います。LINEにご登録くださっている方はLINEでも♩) 長々とお付き合いいただいた、今日のお話が 今後、AFRICLのお品に触れた時 AFRICLの…と言わず、誰かの手仕事に触れた時 それが生まれるまでの、手間暇やその一品に込められた技術に想いを馳せるきっかけの一つになれたら幸いです。 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。



AFRICL 沖田紘子

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